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恋してる自分に自信をもって written by サトちゃん

 私は今年の春、ずっと好きだった人に失恋しました。
 その人と出会ったのはちょうど去年の春。
 今思えば、春に始まり、春に終わった、儚い夢だったような気がします。

 好きだった時、素直になれなくて、何十回も手紙書きました。
 けれど、ちゃんと渡したのは一通だけ。
 好きだった時、心の中はその人への思いでいっぱいでした。
 けれど、ちゃんと気持ちを伝えたのは一回だけ。
 そして、何度も諦めようとして、ほんとに諦められたのは一度だけでした。

 恋愛って難しいです。
 一つのことをやるだけなのに、無駄な事ばかりしちゃってます。
 たった一つのことなのに必要以上に力んでしまう。

 好きな人がいない今、何十回も手紙を書く必要も、たくさんの思いをつのらせる必要も、
 好きな人を必死になって諦めようとする必要も、なくなりました。
 けれど、たった一通の手紙すら、もう書けません。

 ふられても、自分が好きならば、それは失恋ではないと思うんです。
 失恋は、自分が相手に対する恋心を失ったこと、なんだとおもいます。
 好きな人を、好きでいる事が当たり前なのではないでしょうか。
 たとえ、好きな相手であっても、自分の恋を奪わさせてはダメです。
 好きな人を好きじゃなくなるよりは、好きな人を好きでい続ける方が、
 自然じゃないですか?

 好きな相手が自分の世界から姿を消すよりは、
 手に入らない方がいい。

 私は相手が振り向いてくれなくてもいいと思いました。
 自分がどんなに好きであっても、相手にまでは強制できない。
 振り向いてくれない相手も、好きになってしまった私も、悪く無いんです。

 けれど、ある出来事がきっかけで、私は、もう終わりしようと決めました。
 今諦めないと、今まで無邪気に好きでい続けた私の思い出まで、失ってしまいそうで。

 諦めるまで大変でした。一年の思いが込み上げて泣いてばかりでした。
 そして、やっと、諦めきれました。
 今年も夏が終わって、ふと去年の夏を思い出しました。

 諦めたとしても、相手がこの世からいなくなるわけじゃ無い。
 また好きになる事だってあるんです。
 だから、常に自分の気持ちに自信をもって、恋愛をし続けてほしいんです。

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