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☆〜同情と愛情 written by 泉しずく〜☆

「告白されて意識するようになってから、相手のことが好きになった。」
そういうことってよくありますよね。

でも、その「好き」っていう感情を頭から受け入れるのではなく、
ちょっと立ち止まってじっくり考えて欲しいんです。
もしかしたら、その感情は「同情」かもしれません。
同情と愛情はすごく似ていて、時に本人もそれを錯覚していることに気付かないこともあります。
同情で相手を好きだというと、必ず相手を傷付ける結果になります。
また、相手だけでなく自分も傷付いてしまうこともあるのです。

私が中学1年のとき、私のことを好きだと言ってくれる人がいました。
言われてからなんとなく意識していくうちに、気になって頭から離れなくなりました。
私はそのとき、その感情を「愛情」だと錯覚してしまったのです。
錯覚してることにも気付かず、今度は私から好きだといって付き合うことになりました。
付き合うことになっても、何かが違いました。
電話してしゃべっていても何となく会話が重たいし、一緒にいてもすごく息苦しいんです。
だけど、私は「この人を傷付けたくない」という思いで、そういうことから目を背けていました。

「嫌いになったらこの人が可哀相。」
「私がいなきゃこの人はダメになっちゃう。」

ずっと自分の中に溜め込んでいました。
そのうち耐えられなくなったんです。そして、私はとても酷い言い方で彼を振りました。
今まで溜めてきたストレスをぶつけるかのように……。

愛情からでた「好き」という感情は、相手が幸せならそれでいいと思うことができます。
でも、同情からでた「好き」という感情は、自分の幸せをまず願うのです。
自分が苦痛だと、それに長く耐えることはできません。
また相手の気持ちが自分から離れてしまった時に、自分の気持ちが見えなくなるのも同情の方だと思います。

同情と愛情、本当に紙一重です。
だからこそよく考えてほしいんです。
自分のこの感情は本当に愛情だろうか…と。

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