大やけどと二重まぶた〜2歳の頃〜

これは私の人生の中での今憶えている最初の記憶だ。私が2歳の頃の(正確には2歳8ヶ月くらい)暑い夏の出来事。

うちは麦茶を1度沸騰させたお湯で作り、冷蔵庫で冷やすという作り方をしていた。その日もそうやって麦茶を作っていたという。(それは憶えていない)私は母にまとわりついていた。母はまとわりつく私にはかまわずに淡々と麦茶を作っていた。

麦茶に熱湯を注いでちょっと水道水で容器を冷やしたあと、冷蔵庫に持っていく途中も私は母にまとわりついていたという。そして予想はできるけど、起こって欲しくない出来事が起こった。そう、その熱湯の麦茶が床に落ちたのだ。ただ落ちるだけならまだいいが、その落下地点にはまとわりついていた私がいた。

私はすぐには泣かなかった。自分でも熱湯をかぶった時のことは憶えている。熱いというのを感じるということよりもびっくりしたのが先だった。私は頭から熱湯をかぶったので全身やけど状態だった。泣かない私をかかえて母は病院へと走った。

病院での治療はほとんど憶えていない。母の話によると、病院についてからわんわん泣き出して医者に見せると「ここでは治療できないので」と言われて救急車で大きな病院に運ばれたそうだ。

何はともあれ命には別状がなかったようだけど、私は頭から腰くらいにかけて包帯がぐるぐる巻きだった。いずいし、痛いしずっとぐずっていた。もしかしたら顔にもケロイドが残るかもしれない、といわれて母は一生の責任だ、と思ったそうだ。

かなりの月日がかかったけど私のやけどは徐々によくなっていった。心配されていたケロイドも顔には残らなかった。皮膚もきれいに新陳代謝を繰り返し、母もホッとしたという。ここで一つだけ不思議なことがおこった。私のまぶたは両方とも一重まぶただったのに包帯をとってみるときれいに二重になっていたのだ。医者もそれはなぜだかわからないといったそうだ。けがの功名だろう、ということで話は終わったらしいが私はよかったと思っている。(※危ないので真似しないように!!しないと思うけど・・・)

ちなみに現在ではケロイドはほとんど跡形もない。小学校の低学年までは背中にやけどとわかる跡があったが、いまは普通の人が見ただけではやけどをしたこともわからないほどになった。ただ、背中の跡はお医者さんに見せると「昔ここにやけどかなんかしましたか?」といつも聞かれる。

それにしてもどうして二重になったんだろう??それは今でも不思議。うちの親は「神様からの全快祝いだろう」と言っている・・・そんなことあるのかどうかは?だけど。

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