初めての感情〜幼稚園の頃〜

幼稚園の頃私は6歳でやっと物心ついたくらいのかわいい(?)盛り。私が行っていた北海道のH市にある幼稚園はカトリック系の幼稚園で毎日「天に召します我らの神よ・・・」なんてお祈りもしてた。まずは私はキリスト教ではないということを言っておきましょう。家から一番近い幼稚園がその幼稚園だったのでそこに入園することとなった。

そこの幼稚園で私はばら組で何ヶ月かは何事もなく普通に過ごしていたけど、ある日衝撃的な感情に襲われた。

いつものようにお昼のお弁当の時間がやってきた。幼稚園ではお茶係りというものが存在して6つくらいの班に別れていてその中の一人が番茶を皆に注いでまわるのだが、私たちの班のその係は長谷川くんだった。

私がプラスチックのキキララのコップを長谷川君の前に差し出してお茶を注いでもらっているときアクシデントが発生!長谷川くんはキキララのコップの容量以上のお茶を注いでしまってコップからお茶が溢れ出してしまった。

私の幼稚園の制服にもお茶がこぼれて「あらあら」なんて思ってた。その時の長谷川君の行動はすばやかった。

サッとポケットからガンダムのハンカチを取り出して私の制服にこぼれたお茶をふいてくれたのだ。私はもうただ感激するしかなかった。「男の子ってスゴイ」ってたぶん生まれて初めて思った。それは私の中で衝撃的な感情となって全身鳥肌がたつような気分だったのを今でも憶えている。

いま考えると長谷川君は当たり前のことをしたに過ぎないけど、当時の私には衝撃的だった。ただ、私はこれを初恋だとは思っていない。ただ単に好きだな、と思ったにすぎないと思っている。恋と呼ぶにはまだ足りないものがあったのだ。

その後長谷川君は同じ小学校に入学したが、すぐに転校してしまいどこにいるのか全くわからなくなって自然と私の思いでの一つになった。

目次に戻る